2014年10月27日月曜日

龍ヶ岳ウバメガシ林

 熊本記念植物採集会の第1020回例会に参加しました(2014年9月14日)。
 主に環境・景観グループのメンバーがOFF-JTの一環で、上天草市の龍ヶ岳に登り、今回のテーマである「ウバメガシ林」について学んできました。
 登山途中には、植物名が記載された名札が付けてあり、植物だけでなく動物が専門のメンバーにも大変分かりやすく勉強になりました。事前に名札を付けて準備されたそうで、例会担当の皆様には大変お世話になりました。

和名が記載された名札付の植物(この植物は「クサギ」)

 龍ヶ岳のウバメガシ林は、山頂付近を中心に発達しています。
 ウバメガシは、沿岸地の急斜面に多く自生する常緑の樹木です。ブナ科コナラ属に分類され、果実として「どんぐり」が実ります。幹が非常に堅く、備長炭の原料としても有名です。葉は小型で硬く、内側に少し丸まり、乾燥や塩分に強い構造となっています。乾燥に強いことから、生垣や街路樹としても利用されています。

ウバメガシ林
ウバメガシ

 ウバメガシのどんぐりは、殻斗(かくと)がウロコ状になっていて、コナラやミズナラなどのどんぐりと似ています。殻斗(かくと)とは、どんぐりの帽子のことです。
 同じブナ科の樹木でよく見かけるアラカシのどんぐりは、殻斗が横しまのリング状になっています。また、スダジイやツブラジイの殻斗はどんぐり全体を包んでいたり、クリやクヌギなどの殻斗はトゲやイガ状になっているなど、樹種によってどんぐりの形や殻斗の形が違います。
ウバメガシのどんぐり

 龍ヶ岳の山頂付近には、ミューイ天文台やキャンプ場などの施設があります。その中でちょっと気になったのが、「ハート岩入り口」という看板です。矢印の方へ行くと、素晴らしい景色とともに、断崖絶壁の岩の先端付近にハートがっ!

ハート岩
昼食の後は、登山途中で出てきた植物やウバメガシについての勉強会があり、その中でさくら天狗巣(テングス)病についての話がありました。熊本記念植物採集会では、さくら天狗巣病の撲滅に取り組んでいらっしゃいます。

 最後に、他に生育していた植物を紹介します。

トベラ(トベラ科)

ヒメユズリハ(ユズリハ科)

ゴンズイ(ミツバウツギ科)
  

カクレミノ(ウコギ科)

ヤツデ(ウコギ科)
シコクママコナ(ゴマノハグサ科)
ハクサンボク(クマツヅラ科)
ミヤマウズラ(ラン科)
スギ(スギ科)
立派な一本杉でした。
文責NY


0 件のコメント:

コメントを投稿