2013年7月3日水曜日

ハマボウ観察会

 環境・景観グループのOFF-JTの一環で、熊本記念植物採集会の第1005回例会に参加しました(2013年6月30日)。
 天草市新和町のハマボウ生息地で、塩性湿地の観察やハマボウの分布・形態等の勉強会がありました。花期は7~8月なので、満開時期にはまだ早かったのが、少々残念でした。
参加者は55名。活動盛んな会です。

参加者の皆様
 「ハマボウ」とは、アオイ科フヨウ属の落葉広葉樹です。黄色い花弁を5枚もち、合着して筒状になった雄しべの中を雌しべが貫いています。ハイビスカスなどフヨウ属には共通の特徴です。
 学名は、Hibiscus hamabo Siebold et Zucc. (ヒビスクス・ハマボウ)。
学名から分かるように、シーボルトとツッカリーニが命名しました。

つぼみがたくさんついていました。
花。朝咲いて夕方にしぼみ翌日落下する「一日花」です。

果実がついたままでした。中には種子がたくさん入っています。
 日本での分布は、北限が三浦半島、南限が奄美大島の住用川で、生育地が最も多い県は、ここ熊本県と長崎県だそうです。何となく誇らしいです。
 ハマボウの生育地は、満潮に海水が流入してくる河川の下流部や河口、波静かな入り江や内湾の岸、海跡湖の岸、海岸湿地やその周辺ですから、全国的に埋立等の開発行為で生息地を失いつつあります。ハマボウが生息するほとんどの県では、絶滅のおそれがある種を記載したレッドデータブックあるいはレッドリストに載っています(熊本県では今のところ指定されていません)。
ハマボウ群生地
ハマボウ群生地

  同じ塩性湿地環境に生育するシバナ(ホロムイソウ科)の群生も見つけました。こちらも、重要種です。
シバナ。開花が終わり果実がついています。
 記録した植物は41種。重要種あり、外来種あり・・・。かなりスキルアップできました。
塩性湿地を守っていけるよう、我々もコンサルタントとして最善をつくす必要があります。 
シロバナサクラタデ。途中の水田脇に咲いていました。
  環境・景観グループのオタクなメンバーですから、当然、植物だけではなく動物も気になります。
見つけた動物たちを紹介します。
ウミニナ。シバナ群集の脇にビッシリ・・・。
キアゲハの幼虫。食草はセリ科、マツバゼリにいました。
シマヘビ。脱皮前か目が白いです。
タテハモドキ。食草のオギノツメが周辺にたくさん生育していました。

コガネグモ。威嚇されました。
息子(5才)。まじめにメモをとっていましたが、読めませんでした。
   熊本記念植物採集会の現地担当、本部担当の先生をはじめ、参加された皆様には大変お世話になりました。ありがとうございました。また参加させてください。

文責 R・I

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